■ 抄録・要旨
| 北京において、放射性同位体炭素(14C)の高時間分解観測と化学輸送モデル(CTM)を合わせた解析により、元素状炭素(EC)と有機炭素(OC)の発生源解析を実施した。CTMはECの観測値を良好に再現しており、その大部分は北京市内での人為活動に起因すると推計された。一方、CTMはOCの観測値を顕著に過小評価していた。化石燃料起源と生物起源のTC(=EC+OC)の検証結果から、この過小評価は二次生成OC(SOC)の過小評価に起因すると考えられた。また、CTMは生物起源TCも過小評価していた。
この原因として、生物起源SOCやバイオマス燃焼起源粒子の過小評価が考えられる。これらを基に、今後SOCモデルや排出インベントリを検証・改良していくことが不可欠である。
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